IR情報

株主・投資家の皆様へ

経営陣を中心にグループ全体でコンプライアンスとガバナンスの強化に取り組み
中長期に向けたさらなる成長と企業価値向上に努めてまいります

代表取締役会長 玉田宏一

代表取締役社長望月真貴子

株主の皆様には、日頃より格別のご愛顧とご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。
当社グループの2022年連結会計年度(2022年1月1日から2022年12月31日まで)の事業概況をご報告申し上げます。

当社グループでは「人とITで日本の会社を元気に」というミッションを掲げ、人とITを通じてお客様企業の経営活動をトータルでサポートするための営業活動を展開しております。
当連結会計年度(2022年1月1日~2022年12月31日)における我が国経済は、ウィズコロナの下で、世界的な金融引締め等が続いたことによる円安の進行やこれにともなう物価上昇、長引くウクライナ侵攻等により地政学的リスクの高まりや資源、原材料価格、エネルギー価格の高騰等による先行き不透明な状況が続いており、当社を取り巻く環境も非常に厳しい状態にあります。
厳しい経済環境においてITサービスの利活用はすべての企業における生産性向上を果たすため急務であります。次期につきましては、先行き不透明感は続いているものの、各種政策等やインバウンド需要もあり緩やかに持ち直しつつあります。
私たちはこれからもお客様、お取引先様、そして株主の皆様に信頼され選ばれ続ける存在であるために人とITを通じてお客様の持続的な成長を全力でサポートできるよう、そして真にお客様のお役に立つ企業となるべく、引き続き成長してまいります。

当期の業績について

ITサービス事業においては、2022年後半から半導体不足による影響が弱まりPCを中心としたIT機器の出荷が回復傾向にあるものの、国内景気の先行き不透明感から新規顧客向け活動の回復に遅れが見られることに加え、国際的な物流の停滞などもあり、サーバーおよびネットワーク機器の部材不足は継続し、供給は引き続き不安定な状況が続きました。法人市場、特に当社の主要取引先である中堅、中小企業が対象となるコンピュータ市場においては、大変厳しい状況が続いております。

一方で中堅、中小企業に対するサイバー攻撃の増加で、サプライチェーンにおける対策の必要性が認識され、セキュリティ対策ソリューション、セキュリティ教育の需要が増加傾向にありました。

以上のような環境において、当社グループにおきましては顧客ニーズが高まるセキュリティ関連事業への継続的な取り組みやテレワーク需要に対応した製品、サービスの販売に注力してまいりました。また、当社独自の在庫販売戦略を維持しつつ、各メーカーとのアライアンス強化やクラウドサービスの取り扱い強化に取り組んでまいりました。

主力であるPC販売においては、急激な円安による単価上昇と世界情勢不安によるエネルギー価格の上昇等により、顧客企業の買い控えが発生し、事業収支に大きく影響を及ぼす結果となりました。

そのような中、当社では需要が拡大しているサイバーセキュリティへ注力することによりセキュリティ関係の取扱高を前年比116%に伸長させることができましたが、PC販売低迷による売上減少分を補えず売上において大幅減となりました。

アスクルエージェント事業においては、新規顧客開拓、既存顧客の稼働促進等に加え、インターネット広告によるユーザー獲得など新たなユーザー開拓手法に注力し、ITを活用したWeb商談によって生産性を高めるなどの工夫を行いました。

以上の結果、2022年度の売上高は10,599百万円(前期比48.4%減)となり、営業損失は45百万円(前期の営業利益は48百万円)となりました。

なお、「収益認識に関する会計基準」等の適用により、当連結会計年度の売上高は11,024百万円減少しております。また、前連結会計年度に同様の基準を適用した場合、売上高の増減率は前年同期比5.3%増となります。

業績についての詳細はこちらもご覧ください
https://www.hyperpc.co.jp/ir/highlight.html

重点施策について

当社グループでは、今後の中長期的な成長に向け、「事業の拡大と生産性の向上」「新規事業の開拓」「企業価値の向上」を目指しております。

ITサービス事業においては、専門性の追求によるサービスレベルの向上を目指してまいります。具体的にはサイバーセキュリティに特化した専門部隊のサービスレベルを向上させていくとともにテレワークアドバイザーの活用や省電力型の製品の提案、導入支援、クラウド型アプリケーションの販売と契約管理等、ユーザー企業の課題解決、利便性の向上を実現するためのサービスの展開を図ってまいります。特に国内の情報セキュリティ市場における予測では多くの企業でさらなるサイバーセキュリティ対策が求められていることから当社グループではセキュリティ対策製品の提案と導入だけでなく、セキュリティ診断および教育訓練といった新規事業を強化しております。

アスクルエージェント事業では、引き続き「ソロエルアリーナ」の営業活動に注力しつつ、インターネット広告等を活用した新たな新規開拓を強化してまいります。また、グループ全体で企業をトータルサポートする分野への事業展開や顧客基盤を活かした幅広いサービスの展開を行うなど事業ポートフォリオの拡充に努めてまいります。

また、お客様企業への利便性の高いサービス提供のために「業務のシステム化」「業務フローの改善」等を実施し、生産性の向上を図っております。

同時に教育研修制度の充実等による、優秀な人材の確保と育成に取り組んでおります。

CSRへの取り組みによる企業価値の向上について

当社では、持続可能な生産と消費の形態を確保すること、より少ない資源でより多くより質の高い製品を得られるような「生産と消費のパターン」を作り上げることを目的に、環境配慮に応じた製品の提供やPC買い取りサービス等リサイクルサービスをお客様に提供しております。また、CO2排出削減、消費電力の低減に繋がるセイコーエプソン社製のスマートチャージの提案、環境アセスメント等の実施により企業のペーパー削減を提案します。

また障がいを持つ方の就労を支援する就労移行支援サービスを通じて、広く多くの方が生きがいを持って仕事に取り組める社会づくりへの貢献を引き続き行ってまいります。

ストックビジネスの強化について

当社グループでは、クラウドサービスやアスクルサービスをはじめとするストックビジネスの拡大による収益の安定化を目指しております。ユーザー企業におけるITリソースの活用が所有から使用へと移る中、当社グループではセキュリティを含めたSaaSクラウド製品の拡充強化に取り組んでおります。2017年に開設したSaaS製品契約・管理サイト「さーす丸」では、Microsoft365を中心としたSaaS製品の申し込み、契約管理、更新手続きまで一気通貫のサービス提供を可能としています。

また、アスクルエージェント事業においても本社および全国の4拠点において稼働促進や新規顧客開拓に取り組み、ストックビジネスによる売上拡大に取り組んでおります。当社グループでは今後もストックビジネスの強化により安定した経営基盤の維持拡大に努めてまいります。

今後の課題について

国内景気の持ち直しの動きは見られますが、資源価格の高止まりや物価高の影響、国際的な金融引き締めによる海外経済の下振れリスクなど先行き不透明感は続いています。一方で個人消費やインバウンド需要の持ち直しなど景気は緩やかに回復傾向にあることが予想されます。日本企業においても引き続き生産性および国際競争力向上のためのIT活用への需要があり、IT投資は堅調に推移するものと考えられます。

当社グループでは「人とITで日本の会社を元気に」のミッションを実現するべく、強みである幅広い取扱商品ラインナップのさらなる充実とサービスの提供を強化し、既存事業の基盤を強化するとともに新たなサービス、事業拡大を行ってまいります。これらの施策を実現するための手段として積極的にM&Aを活用し、またコーポ―レートガバナンス体制の強化やマネジメントの強化を図り、グループのさらなる成長を目指します。

2023年12月期の連結業績見通しにつきましては、売上高117億円、営業利益71百万円、経営利益70百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1百万円を計画しております。また、当社では株主の皆様への利益還元の充実を重要な施策の一つと認識し、業績の進捗、配当性向等を勘案し、安定的な利益還元に取り組んでまいります。

株主の皆様には、今後とも一層のご理解とご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願いいたします。